院長談
2014年7月23日 水曜日
熱中症②
こんにちは。院長の山中です。
前回に続いて熱中症についてです。
犬は体温が上がるとハアハアし体温を下げようとしますが、
これによって唾液が蒸発し水分が体から出ていきます。
水分を補えば問題はありませんが熱中症になりかけている犬は
水を飲むどころではなく体温を下げようとさらにハアハアし
最終的には動けなくなり水を飲むことが出来なくなります。
こうなると体の水分がどんどん減っていき
循環不全(各臓器に十分に血液が回らなくなること)、
細胞内脱水を起こすとともに体中で
細かい血栓がたくさんできてしまいます。
ここまで行くとDIC(播種性血管内凝固)、多臓器不全、
脳障害を起こし死に至る可能性が高くなります。
また、水分が失われ血液循環が悪くなると
熱の放散も悪くなり熱が体にこもります。
さらに呼吸(運動してるのと同じです)により
体温がどんどん上昇していきます。
高体温は各臓器、特に脳にダメージを与えてしまいます。
この様に熱中症はただ暑さでハアハアしたり
だるくなっているといった軽いものではなく、
脱水と高体温により各臓器にダメージを
受けている重篤な状態です。
話が長くなってきたので
次回に続く...
投稿者 やまなか動物病院