☆やまなか動物病院のブログです☆
2014年8月20日 水曜日
犬の精巣腫瘍①
こんにちは。
院長の山中です。
前回、精巣がお腹の中または皮膚の下にある
潜在精巣(陰睾)の場合は
去勢手術をした方がいいと書きましたが、
その理由は精巣腫瘍になりやすくなるためです。
精巣内には精細胞といわれる
成長すると精子となる細胞があります。
この精細胞は熱に弱いため
成犬では温度の低い陰のう内にあります。
潜在精巣の犬では精巣が温度の高い体内にあるため
精細胞が正常に育たず精巣が委縮していきます。
委縮しているだけならば問題はありませんが
中年齢以降になると中の細胞が腫瘍化することがあります。
その腫瘍の発生率は正常犬に比べ13倍になるとの報告もあります。
また、陰のうや皮膚の下で腫瘍化した場合は
精巣が大きくなるため気づきやすいですが
お腹の中にある場合は腫瘍化していることに気づきにくく
治療が遅れてしまうこともあります。
というわけで潜在精巣、特にお腹の中に精巣がある場合は
去勢手術をお勧めします。
次回は精巣腫瘍の種類について書きたいと思います。
http://www.yamanaka-vet.com/syoukai.html
投稿者 やまなか動物病院