院長談
2014年8月12日 火曜日
猫の飼い方⑦ 不妊手術:雌
こんにちは。
院長の山中です。
今日は猫の不妊手術について話したいと思います。
不妊手術(メス:避妊手術、オス:去勢手術)は
絶対にしなければいけないものではありませんが勧めるには理由があります。
メス猫の場合その最大の理由として
乳腺腫瘍の予防ができるということです。
猫の乳腺腫瘍は犬より発生率は低いですが
そのほとんどが悪性腫瘍であり
発見時には転移していることが多く
手術をしても腫瘍の自潰(腫瘍が破れる事です)は防げますが
延命はあまり期待できません。
しかし、早期に避妊手術を行うと
乳腺腫瘍の発生率を下げることができます。
ただし、手術の時期はいつでもいいというわけではありません。
乳腺腫瘍の発生率は発情を経るたびに上がっていくため
初回発情前に手術するのが理想的です。
〇 避妊手術による乳腺腫瘍の予防効果
6ヶ月齢まで 91%
7~12ヶ月齢 86%
13~24ヶ月齢 11%
24ヶ月齢以降 効果なし
という報告もあります。
その他のメリットとして
卵巣・子宮の腫瘍、子宮蓄膿症の予防や
発情がこなくなるといったメリットが得られます。
逆にデメリットとしては太りやすくなることが挙げられます。
乳腺腫瘍も必ずなる訳ではありませんが
なったときのことを考えるとしておいてあげたいところです。
院長の山中です。
今日は猫の不妊手術について話したいと思います。
不妊手術(メス:避妊手術、オス:去勢手術)は
絶対にしなければいけないものではありませんが勧めるには理由があります。
メス猫の場合その最大の理由として
乳腺腫瘍の予防ができるということです。
猫の乳腺腫瘍は犬より発生率は低いですが
そのほとんどが悪性腫瘍であり
発見時には転移していることが多く
手術をしても腫瘍の自潰(腫瘍が破れる事です)は防げますが
延命はあまり期待できません。
しかし、早期に避妊手術を行うと
乳腺腫瘍の発生率を下げることができます。
ただし、手術の時期はいつでもいいというわけではありません。
乳腺腫瘍の発生率は発情を経るたびに上がっていくため
初回発情前に手術するのが理想的です。
〇 避妊手術による乳腺腫瘍の予防効果
6ヶ月齢まで 91%
7~12ヶ月齢 86%
13~24ヶ月齢 11%
24ヶ月齢以降 効果なし
という報告もあります。
その他のメリットとして
卵巣・子宮の腫瘍、子宮蓄膿症の予防や
発情がこなくなるといったメリットが得られます。
逆にデメリットとしては太りやすくなることが挙げられます。
乳腺腫瘍も必ずなる訳ではありませんが
なったときのことを考えるとしておいてあげたいところです。
投稿者 やまなか動物病院 | 記事URL
2014年7月29日 火曜日
猫の飼い方⑥ ワクチンについて
こんにちは。院長の山中です。
今日は猫のワクチンについてです。
ワクチンで予防できる病気としては以下の6種類があります。
猫汎白血球減少症(猫パルボ)
猫伝染性鼻気管炎
猫カリシウイルス感染症
クラミジア病
猫白血病ウイルス感染症
猫後天性免疫不全症候群(猫エイズ)
猫のコアワクチンは3種ワクチンに入っている
猫汎白血球減少症、猫伝染性鼻気管炎、猫カリシウイルス感染症
の3つになります。
これら3種のウイルスは感染力が強く、
特に猫汎白血球減少症は死亡率も高いため
ワクチンによる予防が必要になります。
5種ワクチンには3種に加え
クラミジア病、猫白血病ウイルス感染症
が入っています。
また最近は7種ワクチンもあり
カリシウイルスが3種類入っています。
さらに、これら混合ワクチンとは別に
猫エイズのワクチンがあります。
まず、ワクチンプログラムは
生後、9週・12週を目安に2回接種し、
その後は生活環境に合わせて接種していきます。
次に何種ワクチンを選ぶかですが
完全室内飼育で1頭飼育
または
多頭飼育でも他に猫エイズ・猫白血病ウイルスのキャリア猫がいない場合
は3種ワクチンで十分だと思います。
5種以上のワクチンを考慮する状況としては
外に出る場合
または
室内飼育でも他に猫エイズ・猫白血病ウイルスのキャリア猫がいる場合
です。
ただし、猫白血病ウイルス感染症と猫エイズのワクチンは
接種することによって感染率は下がりますが100%ではありません。
病気の予防としては感染猫に接触させないことが1番です。
ワクチンは病気を予防するのに有益ですが
デメリットもあります。
特に猫では重大なデメリットとして
繊維肉腫の発生があります。
繊維肉腫は悪性の腫瘍で注射を打った場所に発生します。
特にアジュバント(免疫応答を増強する物質)の
入った不活化ワクチンで発生しやすいと言われています。
(不活化ワクチンでの腫瘍発生率は1/000~1/10000と言われています。)
なのでワクチンを接種する場合は
生ワクチンの方が危険性は少なくなります。
また不活化ワクチンにもアジュバントの入っていないものも出てきています。
ワクチンプログラムは
そのメリット・デメリットに加え
猫の生活環境等を考慮して決めていく必要があるため
ワクチン接種についてお悩みの方は
かかりつけの病院にご相談してもらうのがいいかと思います。
今日は猫のワクチンについてです。
ワクチンで予防できる病気としては以下の6種類があります。
猫汎白血球減少症(猫パルボ)
猫伝染性鼻気管炎
猫カリシウイルス感染症
クラミジア病
猫白血病ウイルス感染症
猫後天性免疫不全症候群(猫エイズ)
猫のコアワクチンは3種ワクチンに入っている
猫汎白血球減少症、猫伝染性鼻気管炎、猫カリシウイルス感染症
の3つになります。
これら3種のウイルスは感染力が強く、
特に猫汎白血球減少症は死亡率も高いため
ワクチンによる予防が必要になります。
5種ワクチンには3種に加え
クラミジア病、猫白血病ウイルス感染症
が入っています。
また最近は7種ワクチンもあり
カリシウイルスが3種類入っています。
さらに、これら混合ワクチンとは別に
猫エイズのワクチンがあります。
まず、ワクチンプログラムは
生後、9週・12週を目安に2回接種し、
その後は生活環境に合わせて接種していきます。
次に何種ワクチンを選ぶかですが
完全室内飼育で1頭飼育
または
多頭飼育でも他に猫エイズ・猫白血病ウイルスのキャリア猫がいない場合
は3種ワクチンで十分だと思います。
5種以上のワクチンを考慮する状況としては
外に出る場合
または
室内飼育でも他に猫エイズ・猫白血病ウイルスのキャリア猫がいる場合
です。
ただし、猫白血病ウイルス感染症と猫エイズのワクチンは
接種することによって感染率は下がりますが100%ではありません。
病気の予防としては感染猫に接触させないことが1番です。
ワクチンは病気を予防するのに有益ですが
デメリットもあります。
特に猫では重大なデメリットとして
繊維肉腫の発生があります。
繊維肉腫は悪性の腫瘍で注射を打った場所に発生します。
特にアジュバント(免疫応答を増強する物質)の
入った不活化ワクチンで発生しやすいと言われています。
(不活化ワクチンでの腫瘍発生率は1/000~1/10000と言われています。)
なのでワクチンを接種する場合は
生ワクチンの方が危険性は少なくなります。
また不活化ワクチンにもアジュバントの入っていないものも出てきています。
ワクチンプログラムは
そのメリット・デメリットに加え
猫の生活環境等を考慮して決めていく必要があるため
ワクチン接種についてお悩みの方は
かかりつけの病院にご相談してもらうのがいいかと思います。
投稿者 やまなか動物病院 | 記事URL
2014年7月25日 金曜日
熱中症について④
こんばんわ。院長の山中です。
しつこいですが今日も熱中症についてです。
熱中症になりやすい犬種がいるので
飼われている方は特にご注意下さい。
まずは短頭種と呼ばれる犬種です。
代表的なものとしては
フレンチブルドッグ、ボストンテリア、パグ、ペキニーズなどです。
またチワワも短頭種に含まれます。
これらの犬種は上部気道が狭く
効率的に気化熱を利用することがでないため
体温が下がりにくくなっています。
さらに、むっちりした体格も
下記の理由により影響しています。
次に、大型犬。特に長毛の犬は熱中症を起こしやすくなっています。
生物は体重あたりの体表面積が少ないほど
つまりは大型で四肢が短くむっちりした体型なほど
体から熱が逃げにくくなっています。
これは寒い環境には適していますが
暑い環境には不向きです。
さらに長毛の場合はサウナスーツをきて
サウナに入っているようなものです。
ちなみに長毛の大型犬でよく熱中症がみられる犬種は
ゴールデン・レトリバーが多いです。
(飼育頭数が多いからか、倒れるまで遊んでしまうのか...)
また、熱中症になりやすい犬№1はブルドッグです。
ブルドッグの飼い主さんは当然、熱中症になりやすいことを
知っているので十分対策をとっています。
それでもなってしまうことがあり
治療も手こずることが多いです。
日本の夏はブルドッグには過酷です。
話は変わりますが熱中症を起こしやすいシチュエーションもあります。
よくあるものは夕方のお散歩です。
日中は暑いので飼い主さんも注意しますが
夕方になり涼しくなってくると散歩に行こうかなと思ってしまいます。
しかしアスファルトはすぐには冷めないため
地面近くを歩いている犬は熱中症になってしまいます。
くどくなりましたがこれは熱中症でなくなる子を多く見てきたからです。
犬は人間より暑さに弱いことを忘れずに
熱中症にならないように注意してあげてください。
犬よりは強いですが猫も熱中症になるのでご注意を...。
しつこいですが今日も熱中症についてです。
熱中症になりやすい犬種がいるので
飼われている方は特にご注意下さい。
まずは短頭種と呼ばれる犬種です。
代表的なものとしては
フレンチブルドッグ、ボストンテリア、パグ、ペキニーズなどです。
またチワワも短頭種に含まれます。
これらの犬種は上部気道が狭く
効率的に気化熱を利用することがでないため
体温が下がりにくくなっています。
さらに、むっちりした体格も
下記の理由により影響しています。
次に、大型犬。特に長毛の犬は熱中症を起こしやすくなっています。
生物は体重あたりの体表面積が少ないほど
つまりは大型で四肢が短くむっちりした体型なほど
体から熱が逃げにくくなっています。
これは寒い環境には適していますが
暑い環境には不向きです。
さらに長毛の場合はサウナスーツをきて
サウナに入っているようなものです。
ちなみに長毛の大型犬でよく熱中症がみられる犬種は
ゴールデン・レトリバーが多いです。
(飼育頭数が多いからか、倒れるまで遊んでしまうのか...)
また、熱中症になりやすい犬№1はブルドッグです。
ブルドッグの飼い主さんは当然、熱中症になりやすいことを
知っているので十分対策をとっています。
それでもなってしまうことがあり
治療も手こずることが多いです。
日本の夏はブルドッグには過酷です。
話は変わりますが熱中症を起こしやすいシチュエーションもあります。
よくあるものは夕方のお散歩です。
日中は暑いので飼い主さんも注意しますが
夕方になり涼しくなってくると散歩に行こうかなと思ってしまいます。
しかしアスファルトはすぐには冷めないため
地面近くを歩いている犬は熱中症になってしまいます。
くどくなりましたがこれは熱中症でなくなる子を多く見てきたからです。
犬は人間より暑さに弱いことを忘れずに
熱中症にならないように注意してあげてください。
犬よりは強いですが猫も熱中症になるのでご注意を...。
投稿者 やまなか動物病院 | 記事URL
2014年7月24日 木曜日
熱中症について③
こんにちは。院長の山中です。
引き続き熱中症についてです。
熱中症を疑う状況としては
暑い時間に散歩をした、閉めきった部屋にいたなどの状況に加え
次のような症状がみられたときは熱中症を疑います。
・パンティング(ハアハアすること)がおさまらない
・元気・食欲がない
重症になると
・横になって動かない・ふらつく・立てない・歩けない
・長時間排尿しない、赤茶色の尿が出る
・下血をしている
ご自宅でできる対処としては
・体に水をかけ扇風機をあてる
(気化熱を利用して体温を下げます。経験的には水に浸けるより効果的です。)
・冷房を入れる
(呼吸する空気も冷たくした方が早く体温が下がります。)
・首・脇・股を氷嚢などで冷やす
(人と同じで太い血管があるため体温を下げるのに有効です。)
・水分をとらせる
(電解質溶液:ポカリスウェット・OS-1など。なければ水でも大丈夫です。)
・毛を刈る
(毛の長い大型犬ではお腹の毛を刈ると効果的です。)
注意点としては過度に冷やしすぎると
逆に低体温症になってしまいます。
特に小型犬は体温が下がりやすいためパンティングが
治まったら冷却処置を中止しましょう。
また、できれば病院に行き状態をチェックしてもらいましょう。
家で様子を見るときは
元気食欲が戻れば経過観察でかまいませんが
尿が出ないまたは赤茶色の尿が出る
イチゴジャムのような下血をしている
ときは内臓がダメージを受けており
命に関わるため必ず病院を受診し
症状を伝えて下さい。
ミオグロビン尿
左のような赤茶色の尿は筋肉が壊れると出てきます。
投稿者 やまなか動物病院 | 記事URL
2014年7月23日 水曜日
熱中症②
こんにちは。院長の山中です。
前回に続いて熱中症についてです。
犬は体温が上がるとハアハアし体温を下げようとしますが、
これによって唾液が蒸発し水分が体から出ていきます。
水分を補えば問題はありませんが熱中症になりかけている犬は
水を飲むどころではなく体温を下げようとさらにハアハアし
最終的には動けなくなり水を飲むことが出来なくなります。
こうなると体の水分がどんどん減っていき
循環不全(各臓器に十分に血液が回らなくなること)、
細胞内脱水を起こすとともに体中で
細かい血栓がたくさんできてしまいます。
ここまで行くとDIC(播種性血管内凝固)、多臓器不全、
脳障害を起こし死に至る可能性が高くなります。
また、水分が失われ血液循環が悪くなると
熱の放散も悪くなり熱が体にこもります。
さらに呼吸(運動してるのと同じです)により
体温がどんどん上昇していきます。
高体温は各臓器、特に脳にダメージを与えてしまいます。
この様に熱中症はただ暑さでハアハアしたり
だるくなっているといった軽いものではなく、
脱水と高体温により各臓器にダメージを
受けている重篤な状態です。
話が長くなってきたので
次回に続く...
投稿者 やまなか動物病院 | 記事URL