犬の精巣腫瘍①

2014年8月20日 水曜日



こんにちは。
院長の山中です。




前回、精巣がお腹の中または皮膚の下にある

潜在精巣(陰睾)の場合は

去勢手術をした方がいいと書きましたが、

その理由は精巣腫瘍になりやすくなるためです。





精巣内には精細胞といわれる

成長すると精子となる細胞があります。



この精細胞は熱に弱いため

成犬では温度の低い陰のう内にあります。





潜在精巣の犬では精巣が温度の高い体内にあるため

精細胞が正常に育たず精巣が委縮していきます。



委縮しているだけならば問題はありませんが

中年齢以降になると中の細胞が腫瘍化することがあります。




その腫瘍の発生率は正常犬に比べ13倍になるとの報告もあります。





また、陰のうや皮膚の下で腫瘍化した場合は

精巣が大きくなるため気づきやすいですが

お腹の中にある場合は腫瘍化していることに気づきにくく

治療が遅れてしまうこともあります。





というわけで潜在精巣、特にお腹の中に精巣がある場合は

去勢手術をお勧めします。



次回は精巣腫瘍の種類について書きたいと思います。



http://www.yamanaka-vet.com/syoukai.html

投稿者:やまなか動物病院

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