薬物中毒 アセトアミノフェン

2014年10月17日 金曜日

こんにちは。

院長の山中です。



前回、薬物の代謝経路の一つである

グルクロン酸抱合について触れましたが

この反応で代謝される薬物にアセトアミノフェンがあります。



アセトアミノフェンは風邪薬や頭痛薬に入っており

どのご家庭にもあるため犬猫が誤食してしまうことがあります。



アセトアミノフェンを摂取すると肝臓で代謝されますが

その代謝過程で有害な中間代謝産物ができます。

通常はこの物質はグルクロン酸抱合によって

無毒化され体外へ排出されますが

摂取量が多い場合は代謝しきれず

肝細胞や赤血球を酸化障害して

肝障害メトヘモグロビン血症などを起こしてしまいます。



犬ではグルクロン酸抱合で代謝することができますが

多量に誤食することが多く中毒を起こしてしまいます。

この場合は早期に治療しなければ命に関わることもあります。



また猫では薬を誤食することは犬よりも少なく

誤食したとしても少量ですが

グルクロン酸抱合による代謝が行えないため

一粒でも有害な代謝産物が蓄積し

強い中毒症状を起こしてしまいます。

この場合、治療をしても亡くなってしまうことも多いため

薬の管理はしっかりしておきましょう。

投稿者:やまなか動物病院

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