●歯茎や舌の色が普段よりも青白い(貧血、血圧低下)
●呼吸の回数が多く、呼吸のたびに鼻の穴やお腹が動いたりしている。(呼吸困難)
●まっすぐ歩けないでふらついている。(神経症状)
●背中の皮膚をつまんでみるといつもより戻りが悪い(脱水)
●耳を触って普段よりもとても熱い(発熱)
●病状がどんどん進行している
ワンちゃんの病気
嘔吐する
胃腸炎
細菌やウイルスによって起こり下痢を伴うことも多いです。軽度の場合は絶食絶水で経過観察し、症状が続く場合や嘔吐物に血が混ざっている・下血を伴う場合は診察を受けてください。また、仔犬の場合も早めに診察を受けるようにしてください。
膵炎
膵臓の炎症によって起こり、頻繁に嘔吐しお腹を強く痛がります。重症になる事が多い病気のため絶食絶水にし早めに診察を受けるようにしてください。
腸閉塞
誤食した異物や腫瘍などによって腸管が閉塞することにより起こります。通常、下痢は伴わず頻繁に嘔吐します。また、嘔吐物が便の臭いがしたり緑色の液体を吐いたりもします。疑わしいときは絶食絶水にし早急に診察を受けるようにしてください。
食道梗塞・食道内異物
異物や大きな食物(ジャーキーやリンゴなど)が食道に詰まることによって起こります。下痢は伴わず透明な液体や白い泡状のものを吐出します。放置すると食道が壊死して穴が開いてしまうことがあるので早急に診察を受けてください。
胃拡張胃捻転症候群
胃が拡張したり捻じれることによって起こります。典型的にはお腹が急に膨れ、吐く動作をするが何も出てこないといった症状がみられます。大型犬に多くみられますが小型犬(特にミニチュアダックスやシーズー)でも起きることがあります。症状が見られたら早急に診察を受けてください。
腎臓病
腎臓の病気により老廃物が排泄できなくなり体に溜まると尿毒症を起こし嘔吐することがあります。尿毒症を起こしている場合は脱水や意識レベルの低下など全身状態の悪化を伴い、重篤な状態になっている事が多いため早急に診察を受けるようにしてください。
中毒
中毒物質を摂取したことにより吐き気が出たり胃腸が荒れて吐くことがあります。また腎不全や肝不全を起こし嘔吐することもあります。中毒物質を摂取して嘔吐が出た場合は早急に診察を受けてください。よくみられる中毒物質としては総合感冒薬、消炎鎮痛薬(シップも含む)、抗うつ剤などがあります。
下痢をしている
感染性腸炎
細菌やウイルスなどによって起こり、嘔吐を伴うこともあります。嘔吐もあるときは絶食絶水にし、嘔吐がなければ絶食にして様子を見ます。症状が続く場合や下血が見られるときは診察を受けるようにしてください。また、仔犬の場合も早めに診察を受けてください。
炎症性腸疾患
免疫の異常やアレルギー等により起こります。慢性的に下痢をし体重の減少がみられることもあります。体重が減ってきたときやお腹が膨れたり体がむくんでいるときは早めに診察を受けてください。
消化管腫瘍
腸に腫瘍ができるとその影響により慢性的に下痢をすることがあります。慢性的な下痢や便に血が混ざっているときは疑いがあるため診察を受けるようにしてください。
水をよく飲む・尿が多い
腎臓病
腎臓の機能が落ちると尿を濃縮する機能が落ちるため、体から水分が過剰に排泄されてしまい多尿になります。また失った水分を補うため水をよく飲むようになります。慢性の場合は食欲の低下や体重減少、口が臭くなるなどの症状がみられます。このような症状がみられた場合は検査を受けるようにしてください。また、急性の場合は嘔吐や意識レベルの低下などもみられることがあります。急性の場合は早急に治療をする必要があります。
子宮蓄膿症
子宮に細菌感染が起こることにより膿が溜まる病気です。その一つの症状として水をよく飲むようになります。その他の症状としては会陰部の腫脹や陰部からの排膿、元気・食欲の低下、嘔吐などがみられます。未避妊の中~高齢犬に多くみられます。また、発情の1~2ヶ月後に起こりやすいため、この時期に上記の症状がみられた時は注意が必要です。放置すると重症になってしまうため早めに診察を受けるようにしてください。
糖尿病
主にインスリンが出なくなることによって血糖値が上がってしまう病気です。水をよく飲んだり、体重が減ってくる等の症状がみられます。犬では多くの場合インスリン治療が必要になります。疑わしいときは血液検査を受けるようにしてください。
副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)
副腎という臓器からホルモンが過剰に出てしまう病気です。水をよく飲んだり、お腹が張ってくる、皮膚が薄くなり毛ヅヤが悪くなるなどの症状がみられます。また、糖尿病や血栓症も起こしやすくなります。診断には血液検査が必要になります。疑わしいときは検査を受けるようにしてください。
咳をする・呼吸が苦しそう
気管・気管支炎、肺炎
主にウイルスや細菌に感染することによって起こります。咳や発熱、浅くて速い呼吸、胸を大きく動かす努力性の呼吸がみられます。咳がひどい場合や呼吸がいつもと違う場合、粘膜が紫色になるチアノーゼを起こしているときは早めに診察を受けてください。特に子犬や老犬では重症になることもあるので注意が必要です。
気管虚脱
本来は筒状をしている気管がつぶれてしまい、空気の通り道が狭くなるため呼吸がしにくくなります。特徴的な症状としてはアヒルが鳴く様にガーガーという呼吸音がします。その他に咳やゼーゼーという喘鳴音がします。軽度の場合は涼しい場所で安静にし、症状がひどい場合やチアノーゼを起こしているときは早めに診察を受けてください。
軟口蓋過長症
軟口蓋という上あごの奥にある軟らかい部分が伸びてしまい、息を吸うときに気道を塞いでしまうためガーガーという呼吸音がします。重症になると興奮時に呼吸困難となり粘膜が紫色になるチアノーゼを起こすこともあります。パグ、ブルドッグ、シー・ズー等の短頭種に多くみられ、チワワやヨークシャー・テリア等にも見られます。軽度の場合は涼しい場所で安静にし様子を見てください。チアノーゼを起こしているときは早急に診察を受けるようにしてください。
逆くしゃみ
小型犬や短頭種に多くみられる症状で、突然ブーブーと大きな音を鳴らして息を吸い続けます。数十秒すると落ち着き何事もなかったように元気にしています。症状がみられた時はあまり刺激せず落ち着くのを待ちます。粘膜が紫色になるチアノーゼや気絶するときは気管虚脱や軟口蓋過長症など他の疾患の可能性もあるため診察を受けるようにしてください。
心疾患
先天性心疾患や僧帽弁閉鎖不全症といった後天性心疾患を持っていると病気の進行とともに痰を吐く様な咳や浅く早い呼吸など呼吸の仕方に変化がみられます。呼吸困難を起こしているときや粘膜の紫色になるチアノーゼを起こしているときは至急診察を受けるようにしてください。
犬糸状虫症(フィラリア症)
蚊が媒介する犬糸状虫(フィラリア)に感染すると心不全を起こしたり肺の血管が詰まったり狭くなってしまい咳や呼吸困難などの症状がみらます。その他にも腹水がたまりお腹が膨れてきたり、赤い尿が出たりします。症状がみられた時は病気が進行しているため早めに診察を受けるようにしてください。
胸水
胸の中に液体が溜まっている状態です。肺が膨らまなくなるため呼吸ができなくなり胸を大きく動かし呼吸をするようになります。原因としては腫瘍や乳び胸、膿胸などが挙げられます。進行すると呼吸ができなくなるため早めに診察を受けるようにしてください。
気胸
胸の中に空気が溜まっている状態です。溜まる量が多いと肺が膨らまなくなるため胸水と同じように呼吸困難を起こしてしまいます。原因としては交通事故などによる外傷が主ですが、腫瘍や肺炎が原因で起こることもあります。呼吸困難を起こしている場合は早急に診察を受けるようにしてください。
横隔膜ヘルニア
胸とお腹を隔てている横隔膜に穴が開きお腹の内臓が胸の中に入ってしまった状態です。主に交通事故などの外傷により発生しますが、生まれたときから横隔膜が欠損している場合もあります。症状としては苦しそうな呼吸をしますが生まれたときからある場合は明らかな症状が出ないこともあります。呼吸困難を起こしている場合は早急に診察を受けるようにしてください。
熱中症
熱中症を起こすと犬は体温を下げるためハッハッハッとパンティングと言われる浅くて速い呼吸をします。夏場や高温多湿な場所などの状況とパンティングがみられた時は熱中症の可能性があるため涼しい場所で体を冷やして水を与えて安静にさせてください。症状が治まらないときは最悪の場合命に関わることもあるため早めに診察を受けるようにしてください。
耳をかく・耳が臭い
外耳炎
細菌・マラセチア(真菌)・寄生虫の感染やアレルギーの症状として外耳道(耳の穴)に炎症がおこる病気です。症状としては耳を痒がって引掻いたり頭を振ったりします。また耳の穴に耳垢が溜まったりひどくなると膿が出たりもします。定期的に耳の掃除をしても治らない場合は診察を受けるようにしてください。
疥癬
穿孔ヒゼンダニの感染によって起こる病気です。全身の皮膚に感染しますが特に耳介やかかと等に好発します。感染すると強い痒みと共に脱毛しフケやカサブタがみられます。人にも感染するため疑わしいときは診察を受けるようにしてください。
耳疥癬・耳ダニ
耳ヒゼンダニというダニの寄生によって起こる病気です。強い痒みと黒い耳垢が多量に出ます。また仔犬に多く発生します。黒い耳垢が多量に出るときは耳ダニがいないか顕微鏡で検査してもらってください。
耳血腫
耳介の軟骨と皮膚の間に血様液が溜まってしまう病気です。頻繁に耳を掻いたり振ったりすることや免疫疾患として発生するとも言われています。耳の痒みを起こしている病気の治療と共に溜まった液体を抜いてあげる処置が必要になります。ほおっておくと耳介が大きく変形してしまうので早めに診察を受けるようにしてください。
皮膚をかく・毛が抜ける
膿皮症
細菌感染による皮膚炎で皮膚に発疹が出たり痂皮というカサブタのようなものがくっつき体を痒がります。治療はシャンプーをしたり抗生物質の内服を行います。シャンプーをしても治まらないときは診察を受けるようにしてください。
マラセチア性皮膚炎
マラセチアという真菌による皮膚炎で皮膚が赤くなり痒みもでます。腋や下腹部、指の間等に起こりやすく体臭もしてきます。治療は抗真菌成分の入ったシャンプーや抗真菌薬の内服を行います。シャンプーで治まらないときは診察を受けるようにしてください。
皮膚糸状菌症
皮膚糸状菌という真菌により起こります。フケがでたり毛が抜けて皮毛が薄くなってきます。土や感染動物等から感染します。自然に治まることもありますが人にもうつってしまうため早めに診察を受けるようにしてください。
毛包虫症
もともと毛穴に住んでいる毛包虫というダニの仲間が過剰に増えることによって起こります。顔や脚に好発し発疹がでたり毛が抜けてきます。通常、健康な成犬では発生せず幼犬や免疫力の低下した老犬や病気の犬で起こります。幼犬では自然に治ることもありますが、全身に広がることもあるので診察を受けるようにしてください。また、免疫力の低下した犬の場合、完治することは難しく薬で症状をコントロールしていくことになります。
疥癬
穿孔ヒゼンダニと言われるダニに感染することによって起こります。強い痒みと皮膚炎を起こし毛が抜けて多量の痂皮が付着します。耳や四肢に好発します。放っておくと病変が広がってきてしまいますし、人にも感染するため早めに診察を受けるようにしてください。
アレルギー性皮膚炎
ノミや環境中のアレルゲン、食物などにアレルギーを起こすことによって皮膚炎を発症します。アレルゲンに暴露されると皮膚が赤くなり痒みがでます。症状が強い場合は診察を受けるようにしてください。
目が赤い、眼やにが出る
結膜炎
白目とまぶたの裏側が赤くなり、眼を痛そうにしたり涙や眼やにが出ることもあります。原因としては外傷、異物、細菌やウイルス感染、アレルギーなどがあります。軽度のときは自然に治まることもありますが症状が強いときや症状が続くときは診察を受けるようにしてください。
乾性角結膜炎
涙が減少することにより、角膜や結膜の表面に炎症が起きる病気です。原因としては感染や外傷、自己免疫疾患などがあります。結膜が赤くなったり、角膜が白く濁ったり黒い色素が沈着したりします。またベトベトした眼やにが多量に出たりもします。慢性化すると視力にも影響がでるため早めに診察を受けるようにしてください。
お腹が膨れている
胃拡張胃捻転症候群
胃が異常に拡張してしまう胃拡張、胃がねじれてしまう胃捻転を起こすと腹部が急に膨れてきます。また典型的な症状として嘔吐の動作はするが何も吐かないといった症状がみられます。放っておくと短時間のうちに状態が悪くなり死亡してしまうこともあるので早急に診察を受けてください。大型犬で多くみられますが小型犬(ミニチュア・ダックス、シーズー等)でもみられることがあります。
腹水
お腹の中に液体が貯留している状態です。原因としては心疾患やフィラアリア症による右心不全、低蛋白血症、腹腔内腫瘍からの出血、腹膜炎などが挙げられます。いずれも咳や活動性の低下、ショック状態など他の症状も伴い、病態も進行していることが多いため早めに診察を受けるようにしてください。
腹腔内腫瘍
お腹の中に腫瘍ができ、それが大きくなることによって腹部が膨れてきます。また、腫瘍が破裂することにより出血したり腹膜炎を起こすと全身状態の重度の悪化を伴いながら腹部が膨れてきます。状態が悪いときは早急に診察を受けるようにしてください。
子宮蓄膿症
子宮に細菌が感染することによって膿が溜まる病気です。中~高齢の未避妊の雌犬に多くみられます。膿の量が多くなるとお腹が膨れてきます。その他の症状として陰部からの排膿や水をよく飲むようになったり嘔吐がみられることもあります。進行すると敗血症や腹膜炎を起こし重症になってしまうため早めに診察を受けてください。
副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)
中年齢以上の犬に発症することが多く、副腎という臓器からホルモンが過剰に分泌されることにより起こります。症状としてお腹が膨れる腹囲膨満、多飲多尿、食欲の亢進、脱毛など色々な症状がみられます。疑わしい場合は血液検査・ホルモン検査を受けてください。
痙攣した
てんかん
脳の異常興奮が起こり体の一部または全身の筋肉が痙攣を起こす病気です。痙攣が出ていないときは正常犬と変わりありません。単発で短時間の痙攣の場合は命に関わることは少ないですが繰り返し痙攣を起こしているときは脳障害や命に関わることもあるので体を冷やして至急診察を受けるようにしてください。
脳炎
ジステンパー等の感染症や自己免疫疾患により痙攣を起こします。痙攣が起きていないときも意識レベルが低いなど異常がみられることが多いです。脳炎の場合命に関わることが多いので至急診察を受けるようにしてください。
脳腫瘍
脳に腫瘍ができることにより痙攣を起こします。痙攣が起きていないときも意識レベルが低い、異常行動などの症状がみられることがあります。早めに診察を受けるようにしてください。
低カルシウム血症
血液中のカルシウムの濃度が下がることにより痙攣を起こします。授乳中の母犬や低アルブミン血症の犬で起こりやすいです。点滴でカルシウムを補充しないと痙攣が続き命に関わるため体を冷やして至急診察を受けるようにしてください。
腎不全
腎不全を起こし尿毒症という状態になると痙攣を起こすことがあります。急性・慢性の腎不全どちらでも起こりますが命の危険のある状態なので至急診察を受けるようにしてください。
中毒
有機リン系の農薬やなめくじ駆除剤、シキミなどの植物、各種の薬などを食べた後に痙攣を起こした時は中毒を起こしているため至急診察を受けるようにしてください。
しこりがある
膿瘍・肉芽腫性炎
外傷や異物、感染、自己免疫疾患が原因で皮下に膿が溜まったり慢性の炎症が起こり、しこりの様になることがあります。原因によって抗生物質や異物の除去、免疫抑制剤などで治療することになるので、早めに診察を受けるようにしてください。
腫瘍
体の細胞が異常増殖している状態です。良性・悪性の判断は見た目ではできないため検査をして判断することになります。悪性腫瘍の場合は転移したり、大きくなり切除しきれなくなってしまうため早めに診察を受けるようにしてください。
尿の色が赤い
膀胱炎
細菌感染や尿結石が原因で膀胱に炎症を起こすと血尿を出すことがあります。その他の症状として頻尿という何度も排尿姿勢を取るが少ししか出ていないといった症状がみられます。慢性化すると治りにくくなったり膀胱結石や腎結石ができてしまったりするので尿の検査と治療を受けるようにしてください。
溶血性貧血
自己免疫疾患や玉ねぎなどの中毒物質、フィラリアやバべシア等の感染症で赤血球が壊れることにより、尿中に赤血球の成分が出てくることにより尿が赤くなる血色素尿を起こすことがあります。膀胱炎と違い頻尿になることはありません。進行すると貧血を起こし命に関わるため至急診察を受けるようにしてください。